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ジェネラル・ルージュの凱旋ジェネラル・ルージュの凱旋
(2007/04/07)
海堂 尊

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みなさん、『チーム・バチスタの栄光』をご存知でしょうか。

海堂尊君という実際のお医者さんが書いた小説で、映画やドラマにもなった

あの伝説のミステリー小説です。

その第三弾で、『チーム・バチスタの栄光』シリーズの

最高傑作である『ジェネラル・ルージュの凱旋』

についてちょろっと。

ミステリー小説を読むようになって2年くらいたちますが、

本を読んでいて初めて、血沸き肉踊る、うはぁ~~~、

という感情が起きました。

何と言うかこう、子供の頃ジャッキー・チェンの映画を

見ていた時のような。


その場面というのが、終盤の戦場(注:病院)です。

ICU部長の将軍、別名ICUの爆弾が戦場(病院の救急センター内の事ね)を

完全支配し、ハヤブサと呼ばれる将軍の近衛兵(看護師さん) が縦横無尽に

駆け巡る。

千里眼を持つ女帝(小児科看護師長の事ね)が

ミス・ドミノ(180cmの女性看護師)を従え戦場を

掌握する。

その時千里眼は言いました。
「こんな事でへこたれるような、そんなヤワな鍛え方はしていない!」

文章にしてみると、大したことないセリフに思えるのですけど、

本書ではこれが一番感動したシーンでした。

この千里眼さんは看護師長なのにあんまり仕事しない人です。

で、いつも寝てます。

アイマスク持参していつも寝てるんです。

現場には指示するだけで(でも的確)。

だから、感情を込めて叫ぶことなんてないのです。

そんな千里眼さんがここまで感情むき出しに

シャウトした事に感動しました。

うまく言葉が出てこないけど、一番面白いシーンを要約し、

少しアレンジを加え解説してみました。


ちなみに、この本は金沢ビーンズのタリーズコーヒーで

読んでいました。

読んでいる最中は、周りの人の話し声とかすごく気になったんだ。

でもね、最後の方は周りの声が全く聞こえなくなるほど

本に集中して、何と言うか、極限まで集中力が高まった

感じでした。

まるで、ゴルファーがパットを打つ時の集中力に

似ていたと思います。

いや、ゴルフしないけど。


で、ストーリーについてです。

今回の主人公は救急の部長である速水晃一君です。

余談ですが、速水くんは剣道の達人です。
(『光の剣』という速水くんの大学時代の本で書かれていました。)

この速水くん、救急のお医者さんとして非常に優秀なんだけど

わがままなのが玉にキズ。というか救急の独裁者です。

で、そんな速水くんが今一番欲しいものはヘリコプターです。

病院の屋上にヘリポートをつくり、ヘリで搬送すれば助けられる

確率上がるやん。

それって素敵やん。

と。

でもそんなお金ないから無理に決まっているジャマイカ、と病院長。

という速水くんと部長の確執があったりなかったり。

そんな頃、裏の主人公である不定愁訴外来

(ふていしゅうそがいらい)責任者の

田口公平君の元に匿名で内部告発文書が届きました。
(注:田口くんは主人公)

その内容は

「速水君が業者と癒着しているかも」

と。

ちなみに、不定愁訴外来とは、病院へのクレーマーとか、病気と

うまく向き合えない人のグチを聞くための科だそうです。

で、この手紙が病院全体を揺るがす事件となるのでした…。


とまぁ、ヘタレなストーリーと思うかも知れないですけど、

こんな内部告発は正直0.5%程度の内容です。

そんな事はどうでも良くて、一番の見所は速水くんの

言動でとにかくカッコよろしいのです。

僕もまぁモテるほうで、それは30年連続母親から

バレンタインの日にチョコレートをもらえるほどです。

そんな僕でも速水くんはかっこよろしいと思いました。

活字のくせに、架空の存在のくせに、だのに

本の向こう側の速水くんを想像し応援していました。

特に圧巻だったのは、(ちょっとネタバレかも)速水くんが

告発文の審議を問うため病院の査問会議に掛けられたところです。

質問する側の人は原理原則主義者の何とかって人。

この人は正論が大好きで、杓子定規的な考えを持っています。

議論を交わすとき一番イヤなタイプです。

ちなみに、この正論マンには主人公の田口くんは瞬殺され、

ジョーカー的存在であるロジカルモンスターこと白鳥君も

やられました。

そんな正論マンに対し、東城大学病院の救急の部長として、

患者さんの目線として、患者さんに一番良いことは何か?

という事を軸とした速水くんの口撃は読んでいて感動しました。

何が言いたいかと良いますと、まだ読んでいない人は

とにかく読んで下さいという事です。

あれ、でも、もしかするとチーム・バチスタ読んでから

の方が良いかも。

いやいらないかな。

いや、いらない。

いきなり読んでください。

それではごきげんよう。
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