[感想] 「果断 隠蔽捜査2」 今野敏著 - 読書の花道。

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[感想] 「果断 隠蔽捜査2」 今野敏著 はてなブックマークに追加

果断 隠蔽捜査2を読みました。

果断―隠蔽捜査〈2〉果断―隠蔽捜査〈2〉
(2007/04)
今野 敏

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ろぐすけとこの作品との出会いは、前作の「隠蔽捜査」でした。

何の気なしに買った本を読んで、主人公の竜崎という人がすごく好きになったのです。

この竜崎って人は合理的主義者なので、保身やメンツといった、警察の本分にまったく関係の無い事が大っ嫌いという変わり者。

その結果、いろんな人から煙たがられるのだけど、本人はまったく気にしません。

正論と原理原則を武器に様々な難題に立ち向かうその姿勢、惚れ惚れします。

ただ、前回の作品ではその性格が仇になって、非常に大きな選択を迫られる結果となりました。
しかし、その選んだ選択こそが竜崎らしさを象徴する結果となります。
(詳しくは、隠蔽捜査を読んでね)

そして、今作の隠蔽捜査2。

期待を裏切りません。

いや、裏切らないどころかさらに拍車が掛かっているように思えます。

その原理原則、言動、振る舞い、全てが竜崎流を貫き通しています。

本編においてその最もたる象徴は、竜崎に噛み付いた野間崎管理官とのやりとりでした。

野間崎管理官とは本部(警察の中央の事、かな)の人間で、竜崎より役職は上です。

で、この野間崎管理官は熱血君で、対面や、派閥と言ったことを非常に気にします。


一方竜崎は、そんなことへの突っぱりにもならないと、全く気にしません。
(※竜崎は地方の署長なので、本来であれば逆らうことはNG。)

そんな時、ある事件で竜崎が管轄する区域で大きな失態をおかしました。

その失態は他の管轄が対処することで事なきを得るのですが、所轄の失態について、野間崎は許せいないそうなんです。

野間崎は、竜崎にしつこーくあの手この手で絡んできます。

しかしその辺については竜崎はお手の物。

その都度バッサバッサと切り裂いて行きます。

痛快なほどに論破したり、本部の伊丹っていう刑事部長を利用したりと。

そして象徴的なセリフがこれ。

伊丹が野間崎管理官と竜崎のやりとり後を見て一言。

伊丹「なんだ、あいつは…」

竜崎「小物に立場や権限を与えると、ああいうことになる」

伊丹「困ったもんだな」

ちなみに、ろぐすけは過去にこの本を読んだ事があります。

読んだ事があるんだけど、ブログに感想をアップしていないという事に最近気づきまして、図書間から借りて読み返しました。

ブログにアップしたいから。

では、作品のご紹介に入りたいと思います。

本部から外された竜崎くん。

今日も元気に署長の業務に努めます。

しかし突然緊急配備が敷かれました。

どうも強盗事件が発生したそうです。

その強盗事件の犯人3人が逃亡した人のこと。

道を閉鎖しろって言うお達しでした。

いろいろあって、犯人2人はタイーホされました。

ただ、1人はまだ逃亡中です。

で、その逃亡者が何とかっていう料理屋に立てこもりました。

人質が2人います。

困ったもんだ。

そこで、竜崎率いるチームが現場に駆けつけると、犯人は銃を持っていると言うこと。

そこで、急遽立てこもりスペシャリストである「SIT」という舞台が呼ばれました。

さらに、突入することも考え"SAT"も集結。

SITによる交渉が進まれる中、最悪の場合も考えSATが突入体制を維持しています。

そして、その最悪の展開となりました。

竜崎の責任でSATに発砲許可を与え突入を命じました。

迅速なSATの行動により無事に人質は救出することに成功。

その一方最悪の展開が。

犯人が射殺されたのです。

しかも、犯人が持っていた銃には銃弾がありませんでした。

これにより、発泡を許可した竜崎に避難が殺到することになります。

無抵抗の犯人を射殺したのではないか?と。



それでは、ろぐすけが一番好きなシーンをご紹介致します。

竜崎がPTAで演説した時のセリフについて。

最近、変質者がうろうろしているので、警察はもっとガンバッテ欲しい、というやり取りから。


竜崎。
「警察はできるだけの事をさせていただきます。学校区内の重点パトロール、職務質問の許可、過去の犯罪歴の洗い直し。」



竜崎。
「さて、私たち警察があなたがたにして差し上げることはすでに地域課長からも私からも申し上げました。それでは、あなたがは警察に対して何をしてくださいますか?」


口ひげ(PTAの一人)。
「署長さんのおっしゃっていることの意味がよくわからないのですが…」



竜崎。
「世の中の原理原則です。要求だけして済まされるというわけにはいかないでしょう。権利には常に義務がちて回ります。要求をするのなら、当然何かの責任を果たしていただかなければならないと思います。」



背広にノーネクタイ(PTAの一人)
「犯罪を取り締まったり、未然に防いだりするのは、警察の仕事だろう。それをちゃんとできないとうのは、職務怠慢だ。」



竜崎。
「もちろんおっしゃるとおり、犯罪の取り締まりや防犯は警察の仕事です。ですが、それがが全てではありません。それは警察の仕事のごく一部に過ぎません。警察というのは皆さんが考えておられるよりずっと多岐にわたる仕事をしているのです。」



カマキリ女史(PTAの一人)
「でも、警察というのは、税金で働いているわけでしょう?納税者のために働くのが当然でしょう。」



竜崎。
「納税は憲法で定められた国民の義務です。私たちは、集められた税金と国債などを合わせた歳入の中から予算を割り当てられて仕事をしています。あなたたちから直接お金をもらっているわけではありません。納税者のために働けというのなら、私たちは高額納税者により多くのサービスをしなければならなくなります。」



口髭。
「では、私たちは警察のために何をすればいいというのですか?」



竜崎。
「巡回連絡カードというのをご存じですか?」



口髭。
「はぁ?」



竜崎。
「地域課の重要な役割に巡回連絡というものがあります。警察官が皆さんのお宅を訪問して、防犯の心得を呼びかけたりする活動です。その際に、住所や家族構成などをご記入頂くわけです。地域課の係員が訪問した際にそれに記入いただくだけでずいぶんと助かります。」



口髭。
「それはプライバシーの侵害じゃないですか?」



竜崎。
「どちらかを選択するべき時に来ているのだと、私は思います。」



口髭。
「どちらかを選択…?」



竜崎。
「そう。あなたがたがおっしゃるプライバシーというものと、治安のどちらかです。」



口髭。
「プライバシーと治安は無関係じゃないですか?」



竜崎。
「いいえ。決して無関係ではない。いいですか?あなたがたは、通学途中の子どもが危険にさらされているとおっしゃいました。学校にいても安心できない、と…。不審者がうろついているかもしれないと心配されていました。学級崩壊のことも懸念されていました。しかしですね、これらは日本人が望んだ生活を実現した結果なのです。」



カマキリ女史。
「なにをばかなことを…。そんな世の中、望むはずはないじゃないですか…」



竜崎。
「いいえ。間違いなく日本人は今の世の中を望んだのです。」

~長いので省略~・・自由を手に入れるために家族がそれぞれ独立したライフスタイルを選んだとかそんな話。


口髭。
「たしかに、そうですが、それが犯罪とどういう関係があるのです?」



竜崎。
「人々は村社会から自由になりました。村社会というのは、住民同士の関係が密な社会です。それがうっとうしいので、都会ではそういう関係から自由になろうとしたのです。それから教育の自由です。1960年代の後半、若者たちは既存の権威を次々と破壊していきました。学校では教師の権威をも解体してしまった。私たちは、子供の頃、よく先生に殴られたものです。だが、学校内での体罰にめくじらを立てるようになった。学校の権威から自由になったわけです。そして、子どもたちに個室を与えられるほど豊かになり、子どもたちは家族から自由になった。子供の日常生活においては、家族というのはかなりわずらわしいものですからね。そう、豊かで自由な社会。今の世の中は、過去の日本人が理想とした社会なのです。その結果、何が起きたか…。地域社会の崩壊、学校の秩序の崩壊です。」



竜崎。
「昔は、3世代で住んでおり地域の付き合いも大切にされていました。」

~長いので省略~地域の安全は、老人ネットワークが持ってくる情報によって成立していた、とかそんなお話。
「そこにはたしかに、あなた方の言うプライバシーはないかもしれない。しかし、明らかに、今より治安はよかった。そうは思いませんか?」


背広にノーネクタイ。
「そんな事を…。今さら言われてもどうしようもない。私たちは次代を逆戻りさせることなどできないんだ。」



竜崎。
「逆戻りさせる必要などありません。誰もそれを望みはしないでしょう。」

~省略~今の便利さが無くなった大変だよね、でも、昔はチャンネル争いもコミュニケーションだったよ、とかそんな話。


竜崎。
「学級崩壊の原因の一つに、子どもたちが我慢することを知らないということがあります。今の子供たちは驚くほど我慢ができない。幼い頃から我慢などする必要がなかったからです。ほしいものが自分の部屋に全部そろっている。学校で先生が体罰をすれば、親が文句を言ってくれる。何でも思い通りになると思って育ってしまったのです。思い当たる節はありませんか?」



紺色の背広の教師。
「おっしゃるとおりだと思います。学校にしつけを期待されている親御さんがいらっしゃる。しつけは学校の役割ではありません。しつけは家庭でなさるものです。」



竜崎。
「最近の先生は子供の顔色をうかがうそうですね。子供の背後にPTAがいる。だから面倒なことは避けたい。事なかれ主義の先生が多いと聞きます。それでは、教育などできるはずがありませんね。」



竜崎。
「教育の基本は厳しく教えることです。ときには体罰も必要でしょう。だが、罰するときは自信を持って罰することです。親御さんが何と言おうと、それが子どものためになると信じて罰を与えなければならない。現場の先生たちはその努力を放棄しているのではないですか?」



カマキリ女史。
「教育や学習について面白い意見をお持ちですね。ご本人もさぞかしお勉強されたのでしょうね。」



竜崎。
「はい」



カマキリ女史。
「失礼ですが、出身の大学はどちらですか?」



竜崎。
「東大法学部です。」


びっくりするカマキリ女史。


竜崎。
「皆さんは、ご自宅のお隣さんがどんな仕事をなさっている方かご存じですか?家族構成は?お隣のお隣はどうです?近所の方々と普段お話をなさいますか?」


竜崎。
「お子さんとは会話をなさってますか?お子さんが学校の行き帰りに何を見たか、誰と一緒だったか、話をされていますか?それだけでも実は犯罪の抑止に役に立つのです。危険なものは避ける。怪しいものがあれば、地域で注意しあう。そういうことが警察に取って助けになります。」



ー終了ー
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