[面白い ★★★☆☆]SONYの旋律(大賀典雄 著) - 読書の花道。

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SONYの旋律 (私の履歴書)SONYの旋律 (私の履歴書)
(2003/05/10)
大賀 典雄

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 SONYの第5代目社長(2003年引退)である大賀典雄の自叙伝。私の履歴書というサブタイトルからもわかるとおり、大賀典雄氏のこれまでの人生を振り返った内容になっております。

感想


 さすが、高度経済成長時代を生きてきた豪傑です。その殆どがエキサイティングな武勇伝の紹介となってました。その武勇伝はこんなところ。

・CD(コンパクトディスク)の規格争いでオランダのフィリップスと対等な共同開発を漕ぎ着けたこと(当時ソニーは世界的に見て超弱小。フィリップスは当時世界一位)
・山口百恵を発掘したソニーミュージック
・コロンビア映画の買収劇
・任天堂とのスーパーファミコン共同開発をドタキャンされたこと。腹立ったのでプレーステーションで巻き返したこと



大賀典雄という人


 大賀典雄という人をこの本で初めて知りましたが、かなり凄い人です。

 もともと、声楽を目指していたそうです。その才能は凄まじく、東京芸術大学でもトップグループにいたほど。さらに、ドイツにまで4年間の留学しています。

 その他にも、飛行機の免許も持ってます。この飛行機の免許は国内でとろうとするとかなり難しいそうです。そのため、易しい海外で免許を取る人も多いとか。

 また、機種により免許が違いますのでなん種類もの免許が必要です。それでも、海外に行くヒマが無いから全部独学で勉強し国内で取得したとありました。出張も、自ら飛行機を運転して行くそうな。トップガンです。

 過去に何度も生死を彷徨うような出来事に遭遇しています。

 まず、ヘリコプターの墜落事故。この時、あと4メートルで着陸というところで、強風にあおられ墜落しました。救助に来た人が死傷するという痛ましい事故だったそうですが、大賀さんも背中を骨折したそうです。

 また、中国で行われたオーケストラでタクトを揮ったとき、突然目眩がしてそのまま倒れました。なんと、クモ膜下出血です。3ヶ月近くも意識が戻らなかったそうです。しかし、現世に踏みとどまりました。恐るべき生命力です。

ベータ vs VHS


 何と言ってもソニーの歴史的敗北で有名なのが、ベータ vs VHSのビデオテープレコーダーの規格戦争でしょう。このことについてもしっかり言及されてました。 
 
 この規格戦争を決定づけたのは、天下の松下幸之助なのだそうです。

 ある日、ベータ、VHS、そして松下電器の子会社が独自に開発した、松下方式の3つの製品を比較しようという話になりました。その製品の中から、一番を決めたのが松下幸之助でした。

 その選び方もさすがです。

 松下幸之助は、3つの製品を自分の手で順番に持ち上げた後、VHSの機器を持ちながらこのように述べられました。

「ほう、これが一番軽うおますなぁ」



 やはり、目の付け所が違いますね。家庭に普及させようということで、コンパクト、軽量化が重要という事なのでしょう。さすがです。

 しかし、ソニーもただでは転びませんでした。実は、VHSの技術にソニーの特許(ソニー、松下、ビクターのクロスライセンス)が含まれていました。なので、VHSの機器を作るときは、ソニーにもライセンス料を払わないといけないのです。

 これには、日本進出を1年掛けてビクターにお願いしていた韓国サムスンも面食らったそうな。

任天堂の裏切りとプレステの逆襲


 任天堂がファミコンの次世代製品を作るとき、ソニーとの共同開発をしていたそうです。ソニーのCD(コンパクトディスク)を扱う技術に目をつけたためです。そして、共同開発に署名し正式に合意しました。

 しかし驚いたことに、次世代製品の発表会で出された製品は全く別のもでした。どうやら、CD-ROMの技術はフィリップス製を選ばれたそうです。

 これに対し当然抗議しましたが、「合意したなんて知りません」の一言。

 結局、任天堂との共同開発はお流れになりました。
(ちなみに、フィリップスとの共同開発製品もお流れになったそうです)

 しかし、ここで諦めるようなソニーではありません。
 ゲーム開発会社(現SCE=ソニーコンピューターエンタテイメント)を設立しました。

 当時、大賀さんも含む幹部の人達はソニー精神にそぐわないという事で、ゲーム業界に進出することは反対でした。

 しかし、ゲームの世界はきっと来ると信じていた技術部代表の久夛良木(くたらき)さんは、こう幹部たちに切り出しました。

「このままでは、ソニーは一生世界の笑いものですよ」



 この発言に発奮した幹部さんは「そこまで言うならやってみろ!!」と半切れ状態で、継続が決まったそうです。

 その後の活躍はご存知のとおり。8年で2兆円規模になり、全世界で9500万台の売上につながりました。

 人類史上、ここまで急速に世界に広がった家庭機器も珍しいでしょう、とありました。

大賀典雄さんの先見性と裏目


 こちらの本は、2003年に発刊されたのですが当時このようなことを述べられていました。

・大きな政府を小さな政府へ。市町村合併や、道州制を導入すべき。


とね。

 逆に、音楽に対する熱情からこのような事も述べられていました。

 ただ、今の時代は音楽がもう少し大事にされてもいいと思っている。最近はデジタル技術の発達により楽曲が簡単にコピーされてしまう。音楽が文化として栄えていくためには、きちっと印税を払う仕組みを確保しなければならない。



 この音楽に対する気持から、ソニーがアップルに遅れを取ったのではないかと思いました。

★★★

 読み終わった後に知ったのですが、最近著者の大賀典雄さんがお亡くなりになったそうです。享年81歳でした。この年齢は偶然にも声楽の大師匠のカラヤン先生(本書で幾度となく登場してきます)と同じ年齢だそうです。

 

それでは、また。
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